こんにちは、汁一日署長のやしょです。
現大学2年生で、僕らの学年はなぜかあかげぃさんを通じて一部の汁メンバーとSNS上での交友があり、今回アドベントカレンダーに参加する機会をいただきました。
↓こちらの企画の16日目の記事になります。
さて、今回のテーマは、、、、
女性声優の結婚です。
わざわざ取り上げるほどのものではないですが、わざわざ取り上げるほどのものでもないのに騒がれがちだから取り上げます。
本記事では、女性声優の結婚発表に際した昨今のオタクの振る舞いに批判を加えつつ、オタクがショックを受ける心理構造を理論的に分析したうえで、精神衛生を保っていくために今後どのようなスタンスでいるべきなのかを検討し、方策を打ち出していこうと思います。←大きく出たな
それではどうぞ。
0. 令和の声優
いまだに声優のアイドル化に警笛を鳴らすオタクがたまにいるせいでこの前置きが入りました。
もう今更の話ですが、声優の活動は多岐にわたっており、アニメに声を当てるのだけが声優というわけではなくなってきています。20年前には20年前の声優がいたように、令和には令和の声優がいるというだけの話です。
女性声優の多くは顔を出して歌って踊るし、恋愛の話を避けます。アイドルと同じ売り方をされるのが一般的です。
ただ、女性声優はアイドルとちがう奇妙なところがあります。
それは、さんざんアイドル売りをしてきた割に唐突に素知らぬ顔で結婚したり、「声優はアイドルじゃないんだし結婚だってするよ」みたいなことを言ってくる人が現れたりすることです。
今をときめく女性声優について前時代的な声優像を持ち出してあれこれ言及するのはまったくもって無意味なので、この記事について声優はアイドルじゃないんだから……という意見は一切受け付けません。
では、女性声優が結婚した時、どんなリアクションをするのが適切なのかを考えていきましょう。
1. オタク、退化_____
昨今のトレンドは、「推しの幸せを願うのがオタク」です。
推しとオタクの関係性のような規範が浸透してきています。
要は「推しは神様で、オタクは推しに貢ぐのが仕事」という概念です。
世間的に虐げられてきたオタクが開き直って、自虐的になったというのが根底にあると思います。オタク=キモい存在ということを自覚できてるから進歩している!みたいな自意識がありそうです。
そんな自分たちに対して、推しは尊い存在である、だから全てを捧げる、みたいな、そういう、あれです。
もっと自分の人生を大切にしてほしいなと思ってしまいます。もちろん、それがほんとに幸せだという人もいるかもしれませんが、オタクはこう在るべきみたいな規範にそこまで従わなくてもいいんじゃないかなとも思います。
対して、それよりちょっと前のオタクにはもう少しプライドがあって、自分の大切な時間やお金を注いできたのに裏切られた……という怒りがありました。
女性声優が結婚したら本気でブチギレててかなりよかったですね。自分の人生を大切にしている感じがあります。
……気付きましたか?
そうなんです。
女性声優が結婚した時に貴方がするべきことは、幸せを願うことでも大喜利をすることでもないんです。それができるようになったことは全くもって進歩ではないんです。
CDを割るんです。写真集を燃やすんです。お気持ち長文ポエムを連投して、名言で打線を組みましょう。球団を設立してリーグを作りましょう。それから、それから……
……でも、怒ったり、悲しんだりするのって思ったより疲れますよね。長くは持ちません。
だからこれもボツです。もっと新しい対処法を考えていきましょう。
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2. 人の心
一旦、なんで人は女性声優の結婚にショックを受けるのかを考えます。対策を考えるためにはまず原因を突き止めるところからですよね!
ただ、単純に好きな人に彼氏/彼女がいたっていうだけの話ではなさそうです。
アイドルを追いかける人みんながみんな恋愛感情ではないからです。
それに、恋愛感情だって言う人だって本気でアイドルとどうにかなれると想定して追いかけてる人はそうそういないと思います。
オタクはイベントやライブに参加したり生放送やブログを見たりっていう、追いかける行為それ自体を目的としてそれに満たされていますよね。
だから、失恋とはちょっと違いそうです。
そもそも女性声優の何を追いかけているのか、顔ですか、歌ですか、姿勢ですか?
考えていきましょう。
3. 物語の崩壊、今井リサの弟
他者をすきになるとその人のことをもっと知りたくなります。
声優だったら、SNSやブログをチェックして、ラジオや生放送を見て、イベントに出かけたりなど。そうしていくなかで、自分の中にその人の人物像がだんだん作られていきます。
でも、その人物像って本当に正しいですか?
たとえばアニメや漫画であれば、キャラの人となりや成長、物語を読者が読み取るために必要な情報はすべて開示されます。キャラが一人でいるシーンなんかも読者だけは知ることができます。
ただ、生身の人間はそうはいきません。いくらその人の出るイベントや生放送、SNSやブログ、雑誌など様々なメディアに張り付いたとしても、露出していない裏で何か人生を変えるような転機があるかもしれません。
かつて豊崎愛生さんが結婚を発表した時にいわゆるTO(トップオタ)の人がブログにこんなことを書いていました(以下勝手に要約)。
自分は豊崎さんのあらゆる情報を追っていて、周りの人間は所詮、豊崎さんを点や線でしか捉えられていなかったが自分は立体的に捉えることができていた。要するに、今までの発言やその時感じていたことなどを時間的な流れと共に掌握することで今何を考えているのかというレベルまで感じ取ることが出来ていた。
実際のところどうなのかはわかりませんが、というか、そうじゃなかったわけですよね。結局見えてる部分ってほんの一部なわけで。
ただ、声優の物語をオタクが受け取ることは不可能ではありません。実際それを求めてファンはついてきてるのだと思います。
女性声優さんはその高いセルフプロデュース力によって、自分の自己実現の物語を再構築してファンに届けてくれるからです。
つまり、生身の人間である以上、ほんとは見えていないところでも様々なイベントがあるが、ファンが見える範囲で再編成して消費できるようにしてくれている、ということです。
だから、オタクは生身の人間の人格をフィクションのキャラのように"解釈"し、物語を消費できるのでしょう。
じゃあ、声優が結婚したらどうなるかというと、まったく伏線がなかった、しかもノイズといえるようなほどの無駄な設定が急に提示されて、物語が矛盾を起こし、崩壊するわけです。
今まで大して近かったわけでもないのに急に遠くに行ってしまったように感じられたり別人になってしまったように思うのは、知らなかった情報が脈絡なく追加されたことによって急に作り物のように思えてしまったり、思い描いてた人物像と乖離してしまうからでしょう。
今井リサの弟事件にちょっと似ているなと思います。
今井リサの弟の唐突な出現によって物語や人物解釈に矛盾が生じ、多くのバンドリ!ガールズバンドパーティ!ファンにショックと不信感を与えた、かの有名な事件です。
主に、
・姉妹関係に悩む氷川紗夜に対して今井リサが自分に下の兄弟がいないかのような素振りを取っていたことが不自然である
・気配りができて面倒見がよくリサ姉と慕われる今井リサがただ単に下の兄弟がいただけだったというのは人格解釈が揺らぐ
さらに百合厨においては
・幼馴染の湊友希那に寄り添っていることも姉であるが故の面倒見の良さに回収されてしまいかねない
という危惧があったかもしれません。(どっかの会長の木〇高〇は弟のち〇ち〇がうんぬんとか言っていましたが妹であったとしても変わりはなかったと思います。)
こうしたちょっとしたシナリオの不備があるだけで物語は簡単に揺らぎ、ファンの信用を失いかねません。
フィクションに限らず、こういうバグみたいなことって、作られた物語や人物を消費している声優コンテンツにおいても同じように起こっちゃうと思うんです。
そうなった時に、やっぱり作られた物語であるが故の危うさみたいなものを多少了承して追い続けて行くしかないんじゃないかなと思います。
もちろん、少し時間はかかります。僕も今井リサの弟事件があってから少し萎えてしばらくガルパから離れてた時期がありました。でもその後も品質を落とさず提供されるストーリーに徐々に信用を回復し呼び戻されて今に至ります。
(そのきっかけとなったのが「幼き日の面影は今もそばに」で、それより前にあった「儚世に咲く薔薇の名は」や割とキンキンにあった「幕開けに輝くエスポワール」なんかとセットで読むと白鷺千聖と瀬田薫のことがよくわかって面白いのでおすすめです)(ガルパの宣伝)
そしてほぼ同じ経験を三森すずこさんでもしました。
2017年9月に三森すずこさんの単独ライブに行き、最後のMCでの「これからもみんなで一緒に歳を取っていこうねーーーーーーー!!!!!!!」という言葉がとても印象に残っていました。
その4か月後の2018年1月に交際が発覚しました。初めて真剣に追いかけた声優さんだったので当時はかなりショックを受け、しばらく離れていました。
ただ変わらず声も顔も歌も人柄もすきで、参加しているコンテンツは追い続け、今年はおよそ4年ぶりに単独ライブに行くことができるようになるまで回復しました。
▽今年のライブでの三森すずこさん(写真右)。まだまだかわいいです。天津向は歳を取りました。
4. されど物語は続く……
ここで、感じたことがあります。
オタクって結婚のこと騒ぎ立てすぎじゃない!?
そう思いませんか。
だってお前の推してる声優、今までいろんなことあったじゃないですか。いろんな活動を追ってきましたよね。たくさんライブやイベントにも行きましたよね。
そんな中で、結婚っていうイベントのインパクトってそんなに大きなものですか?
そもそも、オタクって結婚、恋愛のフィールドにおいてはカースト下位層なのに、わざわざ自分から結婚を重要視する価値観に乗っかりに行くのは変じゃないですか。
結婚だけが幸せなわけねーーーーだろくらいにスカしてるほうがオタクっぽくてすきです。
なので、まず結婚が人生の一大イベントだとでも思ってるその価値観から問い直してみよう!!!!ましょう!!!!!!
ここにも、声優とアイドルの決定的な違いがあります。さっきも僕の話でちょっとしましたが、
アイドルは結婚したらおわるけど声優の活動は続いていくんです。
結婚したところで本人の声やパフォーマンス、人柄は何も変わりません。だって、報告されるまで気付かなかったくらいですから。ということは、こちらのマインド次第でその後も変わらず追い続けられるということです。
そう考えると、女性声優の犬を飼い始めた報告と同じくらいのレベル感で結婚報告も、まあそういうこともあるかくらいに受け止められそうだと思えてきませんか?
5. さいごに
とっておきがあります。
それでもやっぱり女性声優の処女性がいちばん大事で、結婚したらもうなにもかもおわりだという人へ。
↓↓↓↓↓↓↓↓
若い顔声優に乗り換えましょう。顔声優の穴を埋められるのもまた顔声優です。
案1 岩田陽葵
案2 前島亜美
案3 山崎エリイ
案4 中島由貴
ということで、、、
大きく出たわりに完全対策とはいきませんでしたが、みなさんそれぞれが自分にとって女性声優の結婚がどの程度の意味を持つのかを問い直し、あらかじめ心構えを作っておく機会にこの記事がなれば、対策になっているんじゃないかと思います(無理やりなまとめ)。
以上、読んでくれてありがとうございましたー
おしまい